コンセプト
- CG(Computer Graphic)技術を活用して、後継者不足で悩む地域の様々な伝統芸能を保存することで次世代への継承に資する
- 身近な伝統芸能を通じてCG技術に触れることで、地域の若者たちに「伝統」と「新技術」の相互への関心を喚起する
活用シーンイメージ
- 伝統芸能の保存
- CG制作のワークショップ
令和元年度実証事業での課題・掘り下げプロセス
- 若者の流出は地域に魅力を感じられないからだ
- 新しい技術を身の回りで普通に使いこなせる状況を作れたら、若者はもっと地域に希望を感じて定着する
- 地域の伝統芸能は後継者不足で継続が困難になってきている
- 身近な地域の伝統芸能を最新のCGにしていく作業をやる
実証事業
岩手県大船渡市三陸町越喜来甫嶺地区の伝統芸能「剣舞」のCG化に取り組んだ。
- 実施:素材制作
3DCGの剣舞データを制作するには、以下の素材が必要。
- 剣舞の動きが分かる動画
- 剣舞面の3Dスキャンデータ
剣舞の動きが分かる動画は、甫嶺地区で実際に剣舞を踊っている住民に協力してもらい、撮影を行った。撮影したデータは、モーションキャプチャで動きをデータとして記録した。このモーションキャプチャは、動画から3Dモデルデータを生成するwebサービス「Radical Motion」を活用した。
加えて、いわてデジタルエンジニア育成センターの3Dスキャナを活用し、剣舞面のスキャンを行った。
- 実施:合成
制作した素材データの合成を行い、動きの検証や修正を重ねていった。
3D剣舞モデル作成ワークフロー
結果(分かったことや改善 ポイント・実証事業者の声)
- プロジェクト当初、動画からモーションキャプチャーをし、モデリングした3Dと合成させるだけで容易にできると思われていたが、実際にやってみると多くの手作業を経なければ難しいことが分かった
- 手作業自体がかなりの熟練度が必要であったので、果たして伝統芸能を保存する手法としてCGによるアプローチが良いのか、別なアプローチが良いのか検討する必要がある。
2021年度の動き
- 新型コロナウイルス拡大により開催が見送られた盛町あんどん七夕祭りの櫻場地域の山車のCG化を地域からの要望により行った。
自走化及びモデルケースとしての可能性
- 伝統芸能を何らかの形で有機的に保存することはニーズがあると考えられる
- 3Dモデリング技術などはその上でとても重要な技術となる
- VR技術やAR技術なども含めて技術力を上げられれば自走化も可能と考えられる
- IT活用塾等でこの辺の技術ができる人材を地域で育成できると広がりが作られる